普遍的名作映画

【オススメ度数★★★★★】最強のふたり 笑顔と涙が錯綜する名作!

概要

パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として男に雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流を、笑いと涙を交えて描く実話が元のヒューマンドラマ。
まったく共通点のない2人は衝突しあいながらも、やがて互いを受け入れ、友情を育んでいく。
2011年・第24回東京国際映画祭で東京サクラグランプリ(最優秀作品賞)と最優秀男優賞をダブル受賞。

あらすじ

不慮の事故で全身麻痺になってしまった大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、新しい介護者を探していた。
スラム出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。
すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいき……。

感想
「最強のふたり」偽善の匂いも居心地の悪さもない、笑って泣ける痛快コメディ

 たしかに最強だ! 昨年の東京国際映画祭で予備知識なく観賞し、幸福感を噛みしめながら思った。しかし日本では知られたスターは不在、主役は車椅子の中年と黒人青年、フランス映画でコメディじゃ、いくら作品がよくても配給が決まらないんじゃないか。

 これが杞憂に終わってほんとうによかった。あとは最強な作品力がモノを言ってくれるだろう。実際、この映画は驚嘆に値する。実話をベースとする障害者と介護人の話なのにゲラゲラ笑えるコメディで、「お涙頂戴」的なアプローチをしないのに観客すべての心を熱い感動で揺さぶるという映画なのだから。

 大富豪の紳士フィリップは、事故で首から下が麻痺してまったく自由が利かない状態。そんな彼が自分の介護役に選んだのが、スラム育ちのアフリカ系兄ちゃんドリス。子供がそのままデカくなったようなこのオトコは常識や偏見に縛られず、「障害者を障害者とも思わぬ」言動でフィリップを容赦なくおちょくる。だが、腫れ物に触れるような接し方をされる屈辱より、同情のかけらも見せないドリスの言動がフィリップにはどれほどありがたかったか。

 社会的立場も音楽の趣味も正反対なふたりが、互いを面白がる掛け合いはひたすら面白く、痛快だ。偽善の匂いも、居心地の悪さもまるでない。ただふたりが世界を広げ、共鳴を深めていく過程がうれしくて、笑顔のまま涙がぽろぽろ。実在の介護士はアルジェリア移民だそうだが、監督がドリスというキャラを逸材オマール・シーにあて書きしたことが、大きな勝因。彼のまっすぐな瞳と天真爛漫な笑顔を、きっと愛さずにはいられない。

2011年製作/113分/PG12/フランス
原題:Intouchables
配給:ギャガ

スタッフ

監督:エリック・トレダノオリビエ・ナカシュ
製作:ニコラ・デュバル=アダソフスキーヤン・ゼヌーローラン・ゼトゥンヌ
脚本:エリック・トレダノオリビエ・ナカシュ
撮影:マチュー・バドピエ
編集:ドリアン・リガール=アンスー
音楽:ルドビコ・エイナウディ

キャスト
  • フィリップ/フランソワ・クリュゼ
  • ドリス/オマール・シー
  • オドレイ・フルーロ
  • アンヌ・ル・ニ
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