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【オススメ度★★★】イット・カムズ・アット・ナイト/究極の恐怖“それ”の招待に迫る!

概要

夜やってくる“それ”の感染から逃れるため、森の奥でひっそりと暮らすポール一家。そこにウィルと名乗る男とその家族が助けを求めてやって来る。ポールは“それ”の侵入を防ぐため「夜入口の赤いドアは常にロックする」というこの家のルールに従うことを条件に彼らを受け入れる。うまく回り始めたかに思えた共同生活だったが、ある夜、赤いドアが開いていたことが発覚。誰かが感染したことを疑うも、今度はポール一家の犬が何者かによる外傷を負って発見され、さらにはある人物の不可解な発言…外から迫る、姿が見えない外部の恐怖に耐え続け、家の中には相互不信と狂気が渦巻く。彼らを追い詰める“それ”とは一体・・・。

あらすじ&考察

(ネタバレ注意!)

森の中を歩く一家

冒頭から溢れる悲しみと恐怖

イット・カムズ・アット・ナイトは冒頭から悲しみと恐怖で溢れていました。感染拡大によって人類を滅亡へと導く”それ”の存在から逃れるため、元教師のポールは一家とともに、山奥の一軒家にひっそりと暮らしていました。しかし、そんな中で義父のバドが感染し、ポールは断腸の思いでようやくバドを射殺。その後息子・トラヴィスとともに彼を埋葬しています。

映画のポイントは「信用」

イット・カムズ・アット・ナイトのネタバレでは、一家が夜になるとやってくる”それ”からの感染予防のため、外部からくる人間は信じてはいけないという考えを持って生活し、結末ではこれによってとんでもない行動を起こしてしまいます。この映画のポイントが「信用」です。やはり、ネタバレで見るように一緒に生活しているのが家族であって、父親のポールも妻と子供たちを守るために最善の防衛線となっています。

沈黙したウィルとキム

しかし、このような事態である日侵入者がやってくるのです。ウィルと名乗る男は、水を探している途中で空き家だと思って家に侵入したと言い、さらに食料と水を交換して欲しいと一家に交渉しました。父親のポールはウィルの言葉を信じ、早速食料と水を交換するためにウィル一家がいる場所へと向かうことに決めます。

それから数日後に、交換しに向かったポールが一家の元へ戻ってきますが、なぜかウィルとその妻・キム、息子のアンドリューを一緒に連れていました。その後ウィル一家とポール一家の共同生活が始まります。あっさりと信用しているポールなのですが、ウィルの家に向かう道中、ポールは二人組の男に襲撃されているのです。実はウィルが言うには、ポールの家に戻るまでに人間には会わなかったとのこと。

気に縛り付けられたウィル

ウィルの不審な行動はまだあります。襲撃時に銃を撃ってきた男の一人をポールが殺し、ウィルがもう一人の襲撃者を捕まえにいきます。しかし、その時のウィルの行動は不自然であり、襲撃者をかばうシーンがあります。ウィルはポールが来るまで襲撃者に手を出しておらず、後を追っていたポールに気付いたと同時に男を殴りつけていました。そして、襲撃者に気付いたポールは襲撃者を撃ち殺そうとしますが、ウィルは「撃つな!」と言います。

ガスマスクをつけた男

それでも襲撃者を撃ち殺したポールに対して、ウィルは怒りをあらわにしています。そんなウィルに対してポールが知り合いか問いかけると、ウィルは「知り合いではないけど、生かしておくと何か聞けたかもしれない」と言いました。その後、共同生活を送る中で、ウィルが嘘をついている決定的なシーンがあり、ポールはそんなウィルを家に入れるのを後悔していました。

実は、疑うべき人間がウィルのほかにもいるのです。その人物が息子・トラヴィスです。いつも一緒に暮らしている家族でしたが、なぜ疑うべき存在になったのか…。トラヴィスをネタバレ解説します。

トラヴィスがしたこと

「トラヴィスがしたこと」について早速ネタバレ解説します。映画の中でトラヴィスが眠るシーンですが、その時に悪夢にうなされて目を覚まし、必ず何かが起きます。この悪夢はウィルが家に侵入してきた時、そして開けていけないドアを開いた時も見ています。それはなぜか?考えられる説としてトラヴィスが夢遊病だったということ。

銃を向けたトラヴィス

ポール一家からすると、外部の人間が来たことが災いし、結末で開けてはいけないドアを開いてしまった、と考えられます。しかし実はトラヴィスが夢遊病で寝ている最中に動き回り、ドアを開けていました。なんとも予想外の結末。またある夜のこと、物音で目覚めたトラヴィスは部屋の外を見に行きますが、そこでアンドリューが寝室で寝ていない姿を見つけ、寝室まで連れて行きます。

その後ウィルたちは出ていくと言い出しました。と同時にアンドリューの様子もおかしいのです。アンドリューが感染したからだと考えるのが自然ですが、トラヴィスが夢遊病でアンドリューを連れ出したと考えたウィル一家の見方が変わり、ウィル一家はポール一家がなにをしでかすか分からないという恐怖を覚え、出ていこうとしたのかもしれません。

怖い人間の思い込み

思い込んでいるポール

これまでに”それ”がどのように感染していくのか、というのは判明していません。そんな中でも、ポールは「夜に”それ”はやってくる」や「感染予防のためガスマスクをつける」、「ドアを開けなければ大丈夫」など、外からの情報が一切入らないことによって様々な思い込みへと発展させています。外部の人間が感染源になると思いこんでしまい、結末ではポールがウィルたちを殺してしまっています。

自分が危険な状態に陥れられると、恐怖の中では自分自身が頼りで、独りよがりになってしまうのでしょう。しかし一つの疑いすらも大きな事件へと発展してしまうのは、考えてみると恐ろしいといえます。

ドアの前に立つ男

いよいよ『イット・カムズ・アット・ナイト』のあらすじは結末となりました。冒頭から悲しみと恐怖が溢れ、信用を築きつつも猜疑心を持つポールとウィル一家でしたが、思わぬ結末となってしまいました。それでは、映画の結末をご覧ください。

食料と水を求めて

通路を歩くトラヴィス

トラヴィスは悪夢をみたことによって夜に目が覚めました。すると、寝室ではない場所で寝ているアンドリューの姿があり、そんなアンドリューの具合が悪いことにトラヴィスは気づきます。トラヴィスは「ウィルたちは逃げ出す」と言いました。そこで、ポールとサラは銃を持ってウィルの様子を見に行くことになりました。ウィルの元へ向かったポールとサラでしたが、ウィルからポールの銃を奪われ、ウィルはここから出ていくと言われます。

と同時に水と食料を出せと要求しました。ウィルは要求しながら銃をポールに向けていましたが、ポールは隙をついて銃を奪い、ウィルを殴り倒します。

銃を向けるポール

ウィルを殴り倒したポールは森に運び、ポールと共にしていたサラはキムに銃を向けます。その時でした。ウィルが起き上がってポールに襲いかかったのです。それをみたサラはウィルを殺害。残されたキムとアンドリューはこの悲劇を目の当たりにし、一目散に逃げますが、ポールはキムとアンドリューに向けて撃ちます。

火を囲む一家

結局、ポールが撃つ銃弾にアンドリューは当たってしまい殺されてしまいました。そして、取り残されたキムは自分も撃てと言い、ポールはキムまでも撃ち殺しました。そんな時、トラヴィスが現場に現れますが、トラヴィスは気分が悪いようで、感染の疑いがありました。

遠くを見るトラヴィスとポール

あの悲劇から間もなく、トラヴィスはトラヴィスも感染したことが判明。必死にサラがトラヴィスを看病しますが、努力もむなしく死んでしまいます。残されたのはサラとポールの2人だけ。無言でテーブルに向っている2人ですが、取り残されてしまった2人には次に来る”それ”に対する恐怖感を抱いていたまま、『イット・カムズ・アット・ナイト』の物語は幕を閉じます。

“それ”の正体とは?

テーブルを囲む一家

イット・カムズ・アット・ナイトの結末までネタバレ解説していきました。が、結局”それ”の正体は分からないままとなってしまいました。実際は作中に”それ”の正体へと繋がる要素がありましたので、要素とともに正体に迫ります。”それ”とは疫病なのか。はたまた悪夢なのか

正体が明かされない“それ”

一家が祈るシーン

”それ”のネタバレ解説です。映画では、”それ”からの感染によって世界中の人口が減少しているとされています。”それ”とは夜にやってくる正体不明のものでした。ここで”それ”の正体が気になりますが、実は”それ”がなんであるのか結末まで明かされませんでした。映画を観た人にとっては、”それ”がウイルスかその実物を見たいと考えるでしょう。映画の中で正体は明かされませんでしたが、正体が判明するヒントはあります。

ヒント1:絵画?

ピーテル・ブリューケルの「死の勝利」

ヒントは映画の中で映し出された絵画です。絵画のタイトルはピーテル・ブリューケルの「死の勝利」。それでは、ここでこの絵画を解説します。14世紀の中頃に大流行した「伝染病ペスト」の恐ろしさを描いた作品となっており、描き出された病原菌・ペストの感染経路やどのような病気なのかなど原因がはっきりしていません。

そのため、当時の人々の間で「神の裁き」や「魔女の仕業」などの迷信が広がり、最終的には魔女と疑われた人を魔女裁判にて裁きを下す、という集団パニックにまで発展していました。そして、この絵画で解説した同じことが、まさに映画の中で起きていることと似ています。

ヒント2:“それ”は疫病?

ウイルスのイメージ画像

では、「”それ”は疫病なのか?」。映画のネタバレと共に解説します。実際に”それ”が夜にやってくると言い出したのはポールでした。というのも、サラの父親がはじめに”それ”に感染し、発症したのがおそらく夜だったからでしょう。次に感染したのがポール一家が買っているスタンリーでした。

ある日、スタンリーが森の中に吠えて、どこかに行ってしまいますが、後日スタンリーは溺死の状態で家に戻ってきたのです。その様子を見てポールはスタンリーも感染したと言います。このようなことがあり、ポール一家は感染を防ぐためにガスマスクを着用しているので、可能性として考えられるのは絵画で解説したペストのような疫病です。

ヒント3:“それ”は悪夢

悪夢のイメージ画像

”それ”とは疫病の可能性がある、とネタバレとともに解説しました。が、映画の中でははっきりとは正体が分からない描き方をしています。そこで気になるのは「悪夢」です。トラヴィスが連れ出したアンドリューが感染したとしてポールとウィル一家の争いへと発展しますが、トラヴィスは「アンドリューが感染していたなら、僕も感染しているはずだ」と言っています。彼はアンドリューと素手で接触していたからです。

この映画のシーンでうかがえるのが、「不確かな世界で信じて行動すると、それが実現する」というものです。箱の中で生死が不確かな状態の猫が箱を開けたと同時に過去を遡って生死が決定される、という「シュレディンガーの猫」のような世界観です。この世界観に当てはめると、トラヴィスが見る悪夢も”それ”であるといえます。

イット・カムズ・アット・ナイトのアンドリュー

『イット・カムズ・アット・ナイト』をネタバレ解説をしましたが、いかがでしたか?感想にも見られた通り、結局”それ”が現れることなく後味が悪い結末を迎えましたが、”それ”の正体について様々な考察ができました。おそらく、絵画から黒死病・ペストとの関係性が高いと考えられますが、一方でなぜトラヴィスは悪夢を見ていたのか、という疑念も残っています。

夢遊病なのか、はたまた「シュレディンガーの猫」のような世界観による描写だったのか。感想では”それ”は観る人の中に”それ”があると示唆していると捉えることもできるようです。様々な観点から考察できる映画、イット・カムズ・アット・ナイトを観ると面白い発見ができるかもしれません。この機会にぜひご覧になってください。

 

2017年製作/92分/G/アメリカ
原題:It Comes at Night
配給:ギャガ・プラス

スタッフ
キャスト
  • ポール/ジョエル・エドガートン
  • ウィル/クリストファー・アボット
  • サラ/カルメン・イジョゴ
  • トラヴィス/ケルビン・ハリソン・Jr.
  • キム/ライリー・キーオ
  • アンドリュー/グリフィン・ロバート・フォークナー
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